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競技パフォーマンスと心理学

もうすぐジャパンクラシックベンチプレス選手権大会

ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会!!

1月28日、29日に千葉県で開催されます!

南アフリカで5月に開催される世界大会の選考大会ですので気合入っている方も多いですよね!

ONIGYMでトレーニングされている方も多く参加されます💪

皆さんいい結果をお祈りしております🙇

メンタル強い人・弱い人

本番に強い人、弱い人ってよく言いますよね。

「不安なのは練習が足りないからだ!」とか「死ぬほど練習すればメンタルは強くなる!」とか言われて育った最後の世代なので、その通りだと20代の頃は考えていました。

しかし、心理学というのは昔から確立された学問であり、ストレスやプレッシャーという言葉を安易に使いがちだけど本当に理解できているのか?メンタルは辛いことを乗り越えるだけで本当に強くなるのか?

もちろん今でも辛いことを乗り越える経験は必ず必要だと考えています。

でも心理学と真剣に向き合うきっかけがありました。

「もう何も不安に思うことがないくらい試合に対する準備をした。お前は選手がそう思えるくらい選手を指導できたか?」

これは私が最も尊敬するラグビー指導者がジュニアジャパンのオーストラリア遠征初戦前夜に私に話したセリフです。

私は「そこまでできてません」と返すと「俺もまだだよ。」と。

すると格上相手の遠征は4連敗。

しかも全てが大敗という屈辱的な遠征となりました。

その遠征最終日の夜、その指導者の方と2人でバーに行きお酒を嗜みながら言われました。

「指導者は試合中は何もしてやれない。選手が何の心配もない、100%やってきたことを遂行したら勝てると自信をつけさせてやるのが仕事だ。スキル指導とかフィジカル強化は全て戦うためのメンタルに繋がってんだ。選手が本番で力出せないのはメンタルが弱いんじゃなくて、そのメンタル状態まで持っていけなかった指導者が全部悪い。」と。

下戸である私は酔っ払ってはいましたが、その言葉に大変感銘を受けました。

その後の世界大会で日本チームとして初優勝を成し遂げたのですが、決勝に近づくにつれ選手の顔つきがどんどん自信に満ち溢れていき、決勝前夜は負ける気が全くしませんでした。

その指導者のかける言葉、行動、選手へのケア、全てにメンタルを整えるための要素が組み込まれていたのだと思います。

メンタルって勝手に強くなるものではない。

スキルが伸びること、フィジカルが強くなることと同じようにしっかりとした過程が必要です。

ではどう鍛えるんだ?

NSCAやJATIのトレーニング指導系資格も取得にあたり、必ず心理学を学ぶことになります。

さらに世の中には日本スポーツ心理学会が発行した資格を所有するスポーツメンタルトレーニング指導士っていう方がおられます。

メンタルトレーニングというものは科学的根拠に裏付けられたトレーニングとしてしっかりと確立されています。

メンタルが弱くて本番で力がなかなか発揮できないとお悩みの方、それはトレーニングにより解決できる可能性があります!

あがり・さがり

あがりはよく聞く言葉ですね。

極度の緊張により力んだり焦ったりしてパフォーマンスが落ちることを「あがり」と言います。

逆に緊張感が不十分でぼーっとして注意力を欠きパフォーマンスが落ちることが「さがり」です。

あなたはどっちタイプですか!?

こういったパフォーマンスが発揮できない原因を分析することもメンタルトレーニングの一環です。

上記の図は誰にでも当てはまるものではなく、人によっては緊張感がないとパフォーマンスを発揮できない人やリラックスしていた方がハイパフォーマンスの方もいます。

いずれにせよ自身を知るということはメンタルトレーニングにとって非常に重要なことなのでしょう。

あがりにも種類があり、交感神経と副交感神経の興奮では異なる兆候が見られるそうです(1965.市村)。

赤くなるタイプの人は深呼吸といったリラクセーションするのが効果的であり、青くなるタイプの人は膝の屈伸やサイキングアップして覚醒水準を上げる方が効果的なようです。

リラクセーションとサイキングアップ

人は元々交感神経と副交感神経のバランスにより環境に対して心身の調和を保つ機能が備わっています。

リラクセーションとは心身の緊張を緩和して意図的にリラックスした状態を作り出すことを言います。

交感神経優位になっている状態からゾーンに持っていくような手法です。

 

私はスポーツ心理学の専門家ではないので触りしか紹介できません(というよりボロが出ます笑)が、私がチーム指導の際に使用していたものを紹介します。

①漸進的筋弛緩法

手→腕→肩のように小さい筋から順番に力を入れ、その後筋の緊張を弛緩させます。

力を抜くときに身体の感覚に注意を向けると効果的です。

②腹式呼吸法

グラウンドなどの床に仰向けに寝転がります。

目を瞑って、鼻から3秒かけて吸ってお腹を膨らませます。

3秒吸ったら一瞬止めて、7秒かけて吐きます。

この時お腹がどんどん凹んでいくように吐いていきます。

一気に吐くのではなくゆっくり吐いていくことでリラックス感が得られます。

 

サイキングアップとはリラクセーションとは逆で気持ち上げていき、副交感神経優位になっている状態からゾーンに持っていくような手法です。

方法は人によって全く違うと思いますが、まず気持ちを上げていくためには心拍や体温を上げておく必要があります。

なのでウォームアップ後に行うのが適切かもしれません。

「からだの部位を軽く叩く」「大きな声を出す」「速く短い呼吸をする」「アップテンポな音楽を聴く」といった手法がとられることが多いです。

私はグラウンド練習前にペアを組み、向かい合い片手でドラミングのように胸を3回叩き、今日の自分の目標を一言で大声で話すといった方法や10秒以内に違うポジションの選手10人とハイタッチといった方法を採用していました。

注意点は「全力」でやること。

意図的に気持ちを盛り上げていく手法なので恥ずかしがらずにできるようになることもトレーニングです。

リラクセーションもサイキングアップも重要なことは継続して実施することです。

あくまでもトレーニングなので、その日いきなり結果の出るものではありません。

自身の現在の状態を把握し、ちょっとしたルーティンを作りメンタルをコントロールしていくのが重要です。

フィジカルやスキルと同じく普段からの積み重ねが大事ですね♪

ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会に出られる皆様!!!

本番に弱いと自信を失っている方がいらっしゃれば是非自身のタイプを検証し、ルーティンを作ってみてはいかがでしょうか?

メンタル面も含め試合や目標に対し調子を上げていくのがピーキングです!

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