スイスバーとは
スイスバーとは写真のように持ち手が多く、主にプレス系種目において様々な刺激を加えることが可能です。
アメリカンフットボール、ラグビー、相撲といったコンタクトスポーツで相手と正面から接触する際に、脇を開いたまま当たる選手はいるでしょうか?
おそらくいないでしょう。
腕を使って前方方向へ力を発揮したい時は必ず脇を締め、肩甲骨を内転させたまま腕で押し込むと思います。
スイスバーはそんなアメリカンフットボール選手のコンタクトのために生まれ、別名フットボールバーとも呼ばれています。
ラグビーイングランド代表WTBのジャック・ノーウェル選手はベンチプレスのほとんどをスイスバーを用いたものに変更しているそうです。
今回はアーチスイスバーを用いたトレーニング種目を紹介します。
どんなトレーニングができるのか?
基本動作はバーベルで実施する種目と変わりません。
今回は以下の種目を紹介します。
①ベンチプレス(スイスバーとアーチスイスバーの比較)
②ミリタリープレス
③プルオーバー
④ベントオーバーロウ(スイスバーとアーチスイスバーの比較)
ベンチプレス
大胸筋、三角筋、上腕三頭筋が主動筋です。
バーベルとの最大の違いはグリップが縦向きであることです。
肘の伸展が強調されやすい為、上腕三頭筋の強化に繋がります。
また、肩甲骨が挙上されにくいため肩を酷使するスポーツや肩板を損傷している方でもスイスバーを用いることでベンチプレスがやりやすいです。
さらにアーチスイスバーは胸に触れるまでに距離が長くなります。
上腕骨頭が前に出ないように動作を制御しながら下降、挙上ができれば効果抜群です!
アーチスイスバーはバーベルでのベンチプレスよりも胸椎伸展、肩甲骨下制を保持しながら動作を行わなければならないので、「身体を固める」ことやそれに対する意識がかなり高められるトレーニングです。
ミリタリープレス
三角筋、上腕三頭筋が主動筋です。
ハンドル幅を狭く持つことでバーを挙上した際に肩関節が外転位になりにくいので、肩関節屈曲角度が180°の目一杯まで三角筋を収縮させることができます。
アーチスイスバーを使うことで上腕が地面と垂直に立てやすく、肩甲骨が内転下制しやすいので胸椎が伸展位に保てるので力強く挙上することが可能です。
プルオーバー
プルオーバーは大胸筋、広背筋を同時に鍛えることのできる便利な種目です。
ボディメイクに必須である前鋸筋にも効果的です。
ダンベルで実施することが多い種目ですが、グリップ向きがダンベルと同様であり、更に頭部付近を通り過ぎる時ダンベルほど頭部に近づかないので安全に実施できます。
肩甲骨を下制させ胸郭をしっかり広げて広背筋にストレッチをかけていきながらバーを下降させていきます。
この動作が胸郭の可動性を高め、ベンチプレス競技「ブリッジが上手く組めない」「肩甲骨が立てられない」ことを解決するために最適な補強種目といえます。
ベントオーバーロウ
主動筋は広背筋です。
姿勢保持のため脊柱起立筋や肩甲骨を内転させる菱形筋や安定させるための僧帽筋下部など可動する筋が多いです。
バーベルではなくスイスバーを用いることで肘が開きにくいので肩甲骨が内転させやすいというメリットがあります。
スイスバーでは腹部に触れてしまうところアーチスイスバーではもう一引きできます。
これが広背筋や菱形筋の活動量を高め、より強い姿勢保持力や引く力を生み出すでしょう。
まとめ
アーチスイスバーはバーベルやスイスバーでは実現できない可動域でトレーニングが実施できることにより、より高いトレーニング効果が期待できます。
アスリートにとっては怪我予防、パフォーマンス向上の観点からベンチプレスの代替え種目として使えます。