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RFDの向上させる

Rate of Force Development

略してRFD。

S&Cコーチやトレーナーなら必ず知っている言葉です(そうですよね?)。

私がこの言葉に初めて出会ったのは大学1年生の時に購入したNSCA-CSCSの教本です。

NSCAの教本では力の立ち上がり速度と訳され(現在でもそうです)、最小限の時間で最大の力を生み出すことであり、爆発的筋力の指標として一般的に使用されています。

卒業論文でRFDについて調べ、Rateなんだから速度じゃなくて力の立ち上がり率じゃないのかっていう生意気なことを書いたことを思い出します…笑

今や立ち上がり率が浸透してるんですよ?凄くないですか?笑

アスリートのストレングストレーニングではこの能力を向上するのは大きな目的といえます。

なぜかって?

そりゃー大きい力を短時間で出せた方がいいでしょう。

理由は以前のブログで記載しています→オリンピックスタイルリフティングをS&Cトレーニングに組み込む

下の図はトレーニングをしていない人、高重量の筋力トレーニングをしている人、爆発的なバリスティックトレーニングをしている人の三群のRFDの違いを表しています。

引用文献:ストレングストレーニング&コンディショニング第4版(ブックハウスHD発行)

Forceの最大値は最終的に高重量群が高値を示していますが、100msや200msでは爆発的トレーニング群が高値を示していることがわかります。

アスリートにとって重要なことはより重たい重りを挙上することよりも速く走る、高く跳ぶといったスポーツパフォーマンスに直結するを向上させることです。

では重たい重りを挙げる必要はないのか?

それも違います。

併せて解説できたらと思います。

高負荷ストレングストレーニングはするべき?しないでおくべき?

答えはするべきです。

Forceそのものの最大値を高めようと考えると高負荷なストレングストレーニングは必要です。

以前筋力は筋の横断面積に比例すると書きましたが、筋肥大するためにメカニカルストレスとトレーニング容量が必要です。

またこれも以前書きましたが、モーターユニットの動員数の増加と発火頻度の増加も筋力向上には必要です。

そのために高重量を扱うことは非常に有効と言えるでしょう。

また、高負荷トレーニングは主動筋だけでなく協働筋の活性も見込めますし、さらにはスクワットやデッドリフトなどのストラクチャルエクササイズでは高重量を挙上のためにより高い体幹部の剛性が必要となります。

なので、高重量を扱うトレーニングをすればするほど体幹部の固定力は上がります!

以上のことから高重量を扱うトレーニングは協働筋の活性化、体幹部の剛性力向上に有効といえますが、最近では高負荷トレーニングは動作終盤で減速してしまうため発揮される力が落ちてしまうという論文が発表されています。

1RMを競うパワーリフティング競技は別の話と考えてください。

素早く立ち上がることを意識して実施したスクワットにおいて、ピークフォースは100%1RMではなく80%1RMに最大になるといった内容です。

100%1RMって時点で全力挙上な気もしますけどね笑

ピークフォースは最大床半力の最大値のことで力積ではありません。

要するに、どれだけ強く床を踏み続けていたかではなく、押し上げている途中のどこかの局面で1番強く床を踏んでいた力が大きかったかです。

なんか引っかかりませんか?

上記にあるようにスクワットって体幹部の関与が大きすぎるんです。

例えば200kgが1RMの場合160kgとの比較ですからね。

体幹部が支えなければならない重量が40kgも違うんです。

この重量の比較になるとしたら本当に筋活動が類似するのか?

体幹部の筋活動の比較はしているのか?と疑問を持ってしまいます。

なので異なる重量を用いての同一エクササイズのRFDの比較(特にストラクチャルエクササイズは)だけで100%1RMより80%1RMが優れているという結論を出すのは難しいのではないでしょうか?

強いて言うなら、どの重量設定でも毎回全力で挙上すればRFDが高くなることは間違い無いので、それを意識すればいいでしょう!

100%1RMと80%1RMのトレーニングを3ヶ月実施して、その後垂直跳びのピークフォースやジャンプ高が向上したというなら非常に有意義かもしれませんね!

生意気なこと書きました!すみません!!笑

オリンピックスタイルリフティング(OL)などのバリスティックエクササイズ

アスリートはこれらは言うまでもなくやるべきでしょう。

OLなどの爆発的なエクササイズはRFDの改善に非常に有効と言われています。

理由は以下の2点です。

・高速度であるから

・ストレッチショートニングサイクル(SSC)を有効的に利用した収縮は一度筋が引き伸ばされることで固有受容器が刺激を感知しモーターユニットの発火頻度や動員が増加し大きな力を短い時間で発揮するから

ほとんどの競技スポーツは高速度です。

そしてプライオメトリックトレーニングのようなSSCの塊が競技スポーツです。

ボールを投げるのも蹴るのもそう、タックルに入るのもそう、遠くに跳ぶのもそう。全てSSCが大きく関与します。

収縮様式、速度の観点だけで見ても特異性の原理は高負荷ストレングストレーニングよりもバリスティックエクササイズに分があると考えます。

ただ、プライオメトリックのようなバリスティックエクササイズを効率よく実施するには、引き伸ばされた後それを収縮し返す筋力(リアクティブマッスル)を高めなければなりません。

それには絶対的な筋力を高める必要があります。

そうです!

ここにも高負荷ストレングストレーニングは活きてくるのです!

結局は色々やらなダメなのです!!

ちなみにOLでは床からのパワークリーンよりもハングクリーン、それよりもミッドサイクリーン、ミッドサイクリーンプルの順番でRFDは大きくなるようです。

加速度や力積を考えると床から引いた方が大きくなりそうですが、なぜか?

これには筋長張力関係と膝・股関節のトルクが関係してきます。

細かく書くとキリがないのでざっくり書くと、止まった状態から筋が収縮し関節を動かすのに最適な筋長だから!です。

イメージしてください。

膝・股関節の角度が90度より深い位置で構えているのと、軽く曲げたアスレチックポジションとだとどちらが素早く動き出せますか?

答えは言わずしてわかると思います。

なので以前の記事でも書きましたがアスリートにとって不必要なOLの局面が存在するのです。

そこに時間をかける意味がないってことですね。

結論

RFDを高めるにはバリスティックエクササイズは必須!

でもそのエクササイズを効果的に実施するため為の高負荷トレーニングも必須!!

結論はアスリートは時期に分けて色々やらなきゃダメ!!!

以上です!!!!

これ以上解説するとトレーナースクールに来てくれる人がいなくなっちゃいそうなのでやめときます笑

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