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筋トレ界のバリューセット!ピラミッドセット法について

トレーニングには様々なセットの組み方が存在します

主動筋・拮抗筋を連続して実施するスーパーセット法。

同じ筋を4種目以上連続で実施するジャイアントセット法。

以前紹介した5レップ×15セットを15秒レストで実施するスーパーパンプシステム。

先人たちの経験や研究から多くのトレーニングのセット法が誕生しました。

使い方は人それぞれで、いつも書いているように目的に応じて変化させればいいと思います。

トレーニングの正解はその先にある結果だけが知っているのです。

今回は数多あるトレーニングセット法の中でピラミッドセット法を紹介します。

ピラミッドセット法とは?

名前聞いたらなんとなくイメージ湧くと思うのですが、徐々に負荷強度を上げていき、メインのセットが終われば徐々に負荷を落としていきます。

様々な変数のトレーニングが同時にでき、筋力・筋肥大にとって非常に高い効果の見込めるセット法です。

多関節種目と単関節種目で少し負荷設定は変化しますが、基本的な形は変わりません。

なぜピラミッドセット法が筋力・筋肥大にとって高い効果が見込めるのか?

筋線維とモーターユニットの観点から話したいと思います。

筋線維とモーターユニット

筋線維は大きく分けて2種類存在します。

速筋・遅筋と聞くと馴染みがあると思います。

速筋線維というのは有酸素的なエネルギー供給は低いですがミオシンATPアーゼの活性が高く無酸素パワーの高い筋線維のことです。

逆に遅筋線維というのはミオシンATPアーゼの活性が低く無酸素パワーは低いですが効率が良く疲労しにくい筋線維のことです。

速筋線維はTypeⅡ線維と呼ばれており、遅筋線維はTypeⅠ線維と呼ばれています。

TypeⅡの中でもTypeⅡa・TypeⅡxと存在し、TypeⅡaはTypeⅡxと比べ毛細血管に取り囲まれているため有酸素性代謝に優れた速筋線維です。

そして筋線維を動かすものがモーターユニットです。

モーターユニットとは運動単位のことで、1本の運動神経とその神経によって支配される筋線維によって形成されています。

筋の発揮する力は個々のモーターユニットの発火頻度、動員されるモーターユニットの数で決まります。

細かい話は置いといて、最大筋力に近い筋力の発揮をする際はほぼ全てのモーターユニットが動員されます。

しかしそれは十分にトレーニングを積んでいないと難しいと考えられています。

以前のブログにも書きましたが、それが高負荷を用いて中枢神経系刺激により筋力向上を目的としたトレーニングです。

そして大きい筋力を発揮するためにTypeⅡ線維を優先的に動員する「サイズの原理」というものがあります。

大きい力を出すためにTypeⅡ線維を支配するモーターユニットを多く動員させるってことです。

難しく書いていますが、要は今ある筋をどれだけ使えるようにするかって話です。

なぜピラミッドセット法は高重量をすぐに行うのか

話は再びピラミッドセット法へ。

ピラミッドセット法の基本は低負荷→中負荷→高負荷→中負荷と負荷をピラミッド型に作っていくものです。

そしてピラミッドセット法におけるメインセットは高負荷セットです。

先述したように大きな力を発揮するためにより多くのモーターユニットを動員し、できるだけ多くのTypeⅡx線維を動員しなければなりません。

そしてTypeⅡx線維は疲労しやすいことが特徴であることも先述しています。

それにより、メインセットまでに中枢性疲労が大きくなってしまうと大きな力を発揮するためのモーターユニットの動員が見込めなくなります。

また、筋中のグリコーゲンが枯渇してしまうほどの容量のトレーニングをやっては、エネルギー供給が上手くいかず筋力向上のためのセットが組めません。

なので最初の数セットは筋温を上げるためのアップと捉えていただいて結構だと思います。

そして中枢神経系刺激による筋力向上トレーニングは4セット以上やっても大きな効果が得られないという研究が過去にありました。

理由は先述と同じです。

なのでメインは3セット以内でいいでしょう!

その後は筋肥大を目的とし、容量を大きくする必要があります。

容量を大きくするといってもいきなり20〜30回できるような軽い重量は用いません。

メインのあとは8〜10回(75〜80%1RM)、10〜12回(70〜75%1RM)、12〜15回(65〜70%1RM)を目安に重量を落としていきます。

ここで重要なことは挙上速度です。

あくまでも筋肥大を狙ったものなので、より多くの速筋線維を動員させなければなりません。

回数の目安も大事ですが、セットの質を求めるのであれば大きい力を出すことが最も重要です。

メインセットで中枢性疲労が溜まっているかもしれませんが、セットの序盤に関しては積極的にTypeⅡx線維を動員すべきです。

使用重量が軽くなっても挙上を全力で行うことで筋は大きな力を発揮しなければなりませんので、サイズの原理的には大きな力を発揮できるTypeⅡx線維から優先的に動員されます。

なので筋肥大のためにトレーニングの質をしっかりと保ちたいと考えるのであれば、セット中の挙上速度が80%を切ったと同時にセットを終了してもいいと考えます(計測が必須なので難しいかもしれませんが…)。

そして最後の〆は20回ほどできる重量で疲労困憊になるまで、ミオシンクロスブリッジがアクチンフィラメントを引き込むことができなくまでやっちゃいましょう♪

メインセットが終わると毎セット限界まで挙げるというのが一般的ですが、先ほどの挙上速度の限界とラストのみ補助が必要なほど挙げれば毎セット質が保てて良いトレーニングになると思います!

ちなみに私の組み方はこんな感じです。

ピラミッドセット法で実施すると大体トータルで10トン超えるようなハイボリュームです。

しかしメインセットでは1〜3セット目で負荷と容量を抑えているので、2〜4RMの高負荷を扱うことができています。

このように様々な負荷を用いることができるのがピラミッドセット法の最大の魅力ですね。

ぜひお試しください!!!

 

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