前回に引き続き…
パワーリフティング選手はあまり興味がないかもしれませんが、今回もアスリートの競技力を上げるシリーズです👏
アスリートが速く走りたい、遠くまで跳びたいといった目的を持ちトレーニングを実施していくにおいて、RFDを向上させることは必須条件だということは以前ブログに書いてある通りです。
そのRFDを効果的に高めるトレーニングとしてプライオメトリックトレーニング(以下PT)があります。
PTはできるだけ短い時間内に最大の筋力に達することができるようにするための身体活動のことを指します。
簡単にいうと反動をじゃんじゃん使って跳んだり投げたりするトレーニングのことです。
ストレッチショートニングサイクル(以下SSC)を含む、予備伸張あるいは反動動作を用いた素早くパワフルな動作と定義づけられています。
SSCとは?
ランニングやジャンプを行う際に重力や圧縮力、衝撃力の影響を受けると、筋が引き延ばされた後に筋が縮みながら力を発揮していることは何となくわかると思います。
筋活動には3つのタイプがあります。
1・筋長が変化せずに力を発揮する等尺性筋活動
2・筋が引き延ばされながら力を発揮する伸張性筋活動
3・筋が短く収縮しながら力を発揮する短縮性筋活動
この3つがありますが、日常動作やスポーツ活動において単独での活動はほぼないといっても過言ではないでしょう。
SSCは伸張性筋活動(着地やしゃがみ込み)→一瞬の等尺性筋活動(償却局面と呼ぶ)→短縮性筋活動(テイクオフ)のサイクルを指します。
引用文献:ストレングストレーニング&コンディショニング第4版(ブックハウスHD発行)
ジャンプの着地の際に筋が急速に伸張すると、筋紡錘が活性化されてパワー出力が増大します。
筋紡錘は伸張速度に対する感受性を備えており、伸張が速いほど、筋紡錘の活性化レベルが大きくなります。
日常動作やスポーツ活動のほとんどの場合、筋紡錘と筋の弾性要素の両方が活性化されるため、SSC後のパワー出力増大は筋紡錘と弾性要素、両方の働きによるものと考えらています。
PTはどんな種目があるの?
PTの大きな特徴は自由度が非常に高いことです。
着地点を変えずその場で実施、前方・後方・横方向(斜めもあり)、1度だけ跳ぶ、連続で跳ぶ、しゃがみ込んだ姿勢から跳ぶ、カウンタームーブメント、ダブルレッグ、シングルレッグ、スプリット、シザーズ、ボックス、ハードル、メディシンボール…キリがありません!!
そこで今回はボックスを用いた種目の紹介をしたいと思います。
最初に何をするべきか?
ボックスを用いる種目に限らず、PTで1番最初に身につけなければならないのは着地姿勢です。
着地姿勢はアスレチックポジション(パワーポジションともいう)といういつでも素早く力強く移動できる姿勢を取ることが理想です。
こんな姿勢です。
着地の瞬間にこの姿勢を作ることで、拮抗筋であるハムストリングスや臀部が収縮し、膝関節を傷害から守り、適切な筋長が保たれることから力発揮がしやすくなるため、償却局面を短くすることができます。
単純にアスレチックポジションを取るだけなら何ら難しいことはありません。
あくまでもPTを想定して実施するためトリプルエクステンション(足・膝・股関節全てが伸展した状態)から一気にアスレチックポジションを取ります。
動画の1番最初の種目です。
その場でのジャンプ、ボックス、ハードル、どのようなPTでもこのアスレチックポジションでの着地がベースとなり、この姿勢が取れないような負荷が高すぎるのでトレーニングとしては不適切と言えるでしょう。
いよいよボックスへ
ボックスを用いたトレーニングはほぼ垂直方向へのパワー発揮が目的となっています。
まずこれをご覧ください。