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グルートハムディベロッパーを用いたトレーニング(グルートハムベンチ、ローマンベンチ)

グルートハムディベロッパー

グルートは臀部、ハムは大腿部後面のハムストリングスのことを指します。

ポステリオールチェーン筋群という身体背面の筋群を鍛えることで、スポーツ中の爆発的な動作を生み出し、さらにそれを制御することもできるようになります。

 

特にハムストリングスはスプリントからの急減速をするのに最も重要な筋であり、伸張しながらの強い収縮に耐える筋力をつける必要があります。

更に臀部を協調させることで起こるヒップヒンジという臀部を後方に引き込む動作は膝が前方へ出て動作を代償することを抑えます。

この動作が膝関節への剪断力を小さくし、前十字靭帯損傷といった大怪我から身を守る役割を果たしています。

ポステリオールチェーン筋群を鍛えることは頑丈なボディ、一瞬でトップスピードに持っていくためのアクセル、俊敏かつ安全な動作のためのブレーキを作ると言えるでしょう。

ポステリオールチェーン筋群を立位以外で効率的に鍛えられ、様々な負荷の掛け方ができるトレーニング器機がグルートハムディベロッパー(以下GHD)です。

グルートハムディベロッパー(GHD)

 

一般的なフィットネスクラブではあまり見かけない…

メリットが山ほど存在するトレーニング器機にも関わらず一般的なフィットネスクラブで見かけたことはほとんどありません…。

なぜか?

使用方法が多岐に渡る上、なかなか初見の方が見ても何ができるかわからないからでしょう。

ぱっと見、腹筋を鍛えるマシン(もちろん鍛える方法もあります!)だと思う人は多いのではないでしょうか。

私も大学生の時に初めて見てそう思いました…笑。

しかし、多くの競技アスリートやクロスフィッターといったトレーニングにより大きい負荷をかける必要のあるアスリート達はこぞって愛用していることから、GHDの重要性がわかります。

トレーニング種目の紹介

①グルートハムレイズ

②ヒップエクステンション

③ハイパーエクステンション

④リバースハイパーエクステンション

⑤バーベルプル

⑥シットアップ

⑦シッティングチェストアウト

⑧おまけ・ラガーマンにおすすめ使用方法

👇先に動画をご覧ください👇

グルートハムレイズ

グルートハムレイズで鍛えられる部位は大臀筋とハムストリングスです。

足を引っ掛け、前の大きなパットに膝が当たる位置に調整します。

膝関節が90度の位置からスタートし、膝が完全に伸展し身体が一直線になるまで前に倒れていきます。

身体が完全に一直線になったら元の位置まで戻ります。

この際先に膝が曲がりお尻から上がらないようにしましょう。

動作中はずっと上半身がふにゃふにゃしないように腹部背部と共収縮させ一直線に固定します。

特にハムストリングスには伸張性収縮により大きな負荷をかけるので、翌日結構きつめの筋肉痛が腿裏を襲います。

このように伸張しながら大きな負荷をかけることがスプリントによる肉離れや膝関節周辺の傷害を減らすのですね。

しかし1点注意しなければならないポイントがあります。

グルートハムレイズの導入へのタイミングです。

スプリンターのピーキング期やサッカーなどのスプリントを繰り返す競技におけるシーズン期は避けた方が良いでしょう。

なぜか?

前述したように負荷が大きいからです。

大きい負荷をかけた後は必ず一時的にパフォーマンスが低下します。

そしてなんとなく想像はつくと思いますが、負荷が大きければ大きいほど回復に時間がかかります。

レジスタンストレーニングは筋に微細な損傷を起こさせるための作業であることを忘れてはいけません。

レジスタンストレーニングで大きな負荷をかけた後にダッシュを繰り返したらどうなるか…?

お分かりですよね。

肉離れのリスクが上がります。

しかし、ハムストリングスを鍛えることにおいてこれ以上ないほど良いトレーニング種目であることには変わりありません。

使い方としてはシーズンからの移行期を経て、身体的準備期に入ったあたりの走行距離や強度が上がらないタイミングがオススメです。

高負荷を用いたルーマニアンデッドリフトをシーズン期にやらないのも同じ理由ですね。

怖いこと書いてますが、使うタイミングさえ間違えなければ本当に良い種目ですので、ぜひ一度やってみてください。

ヒップエクステンション

ヒップエクステンションで鍛えられる部位は文字通り臀部です。

臀部だけに効かせるのが少し難しいですが、多少の代償があったとしても臀部への依存はかなり大きいのでヒップアップを目的としている方には是非やっていただきたい種目です。

ポイントができるだけ下背部で代償しないように背中を丸めて股関節だけ伸展させることを意識して実施することです。

無理に上まで上がろうとすると脊柱起立筋の代償が大きくなるので、上体が地面と並行になるまで上げればいいでしょう。

ハイパーエクステンション

ハイパーエクステンションで鍛えられる部位は脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングスです。

背中を丸めた姿勢からスタートし、身体の背面全てを使って目一杯下背部が反るところまで上体を起こします。

ヒップエクステンションの終局から更に一押しといったイメージです。

床に寝て行うバックエクステンション(一般的に上体反らしといわれるやつです)は下半身を使うことはありませんが、この種目では背面全てを動員して行うので背部の連動性を高めるには良い種目だと言えるでしょう。

リバースハイパーエクステンション

リバースハイパーエクステンションで鍛えられる部位は脊柱起立筋、大臀筋です。

ハイパーエクステンションよりもスタートから脊柱起立筋が動員される割合が大きいので負荷は大きいです。

あまりブンブン振り回すようなフォームで実施すると、腰椎が過度に伸展してしまい腰を痛める原因となりますので、動作はできるだけ反動をつけずに実施してください。

GHDバーベルプル

ベンチロウ、ベンチプル、シールロウと呼ばれる種目の応用です。

広背筋、大円筋、僧帽筋を鍛えることが目的です。

弊社のGHDにはバーベルラックが付いているので簡単に実施することができます。

GHDで実施する場合は脊柱起立筋や大臀筋で上体を一直線に固定し、その姿勢をキープしバーベルが身体に触れるところまで引き上げる種目です。

姿勢保持の為の筋力、強く引く為の動的な筋力同時に鍛えられる背面最強種目では?

Werner Günthörという1980年代後半から1990年代前半にかけて砲丸投げで世界チャンピオンだった選手が当時既にこの種目を実施していました(GHDは存在しません)。

GHDがなかったらこんなやり方なんですね笑

彼は上体を固定せずにヒップエクステンション+バーベルロウのような種目でした。

そりゃ強くなりますよね…。

ちなみに弊社のGHDでもギュンター選手と同じ方法で実施可能です!

シットアップ

GHDでのシットアップは通常のシットアップと違い腹部だけでなく股関節屈筋群も目一杯動員して行います。

ゆっくりじわじわ腹筋に効かせるというより反動を使ってできるだけ早く上まで上がるようにします。

早い収縮が起こること、可動域が普通のシットアップより大きいことで腹直筋に大きい負荷をかけることができます。

腹筋トレーニング嫌いの私は実施翌日しっかりと筋肉痛なのは内緒です…笑

シッティングオープンチェスト

多くのスポーツでは上体が左右に回旋していても、走る方向と動きを維持する必要があります。

上半身と下半身の独立した動きにとって重要なことは骨盤の位置を制御させることです。

動作中に骨盤の位置を維持するには、脊柱の回旋と伸展を組み合わせトレーニングを繰り返す必要があります。

その改善のための種目としてシッティングオープンチェストはオススメです。

パワーリフティングやウエイトリフティングにおいても、完全に左右対称で動作ができるわけではありません。

骨盤の安定というのは必須の動作であると言えます。

一度お試しください。

おまけ・ラグビー用トレーニング

どこをピンポイントに鍛えているというトレーニングではないです。

ラグビーはどの方向から相手選手に接触されるか分かりません。

接触を伴う際は必ず「身体を固める」必要があります。

様々な方向から負荷をかけてもらい、その負荷に拮抗しできる限り真っ直ぐキープします。

大きい筋から細かい筋までフル動員です。

めっちゃ息上がります。

ラガーマンはぜひお試しを🏉

 

まとめ

ポステリオールチェーン筋群を効率よく鍛えることのできるトレーニング器機です。

GHDでできるトレーニング種目は多岐に渡ります。

上記の種目だけでなく工夫次第でまだまだバリエーションは増えると思います。

トレーニング初心者の方にも使っていただきたいトレーニング器機ですので、ハードルが高いと思わず是非チャレンジしてみてください!

 

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