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バックスクワットとフロントスクワット

バックスクワットとフロントスクワット

Squat=しゃがむ

↑「便座でスクワットすんじゃねーよ」ではありません。
「便座の上にしゃがむのは止めてくださいね」です。

スクワットは大きく分けるとバックスクワット(以下BSQ)、フロントスクワット(以下FSQ)に分けられます。

細かくいうとオーバーヘッド、ブルガリアン、シシー、ザーチャーなど色々あります。

BSQ、FSQの中にも担ぐ位置や握り方で多少違ったフォーム、呼び方に変わります。

主に鍛えられる部位は大腿部前面、後面、臀部です。

肩の上に担ぐことによって脊柱の垂直方向への刺激が大きいため、上半身の筋も多く動員されます。

このような種目はストラクチャルエクササイズと呼ばれ、筋を鍛えるだけでなく骨密度の増加も期待されます。

スクワットがKing of exerciseと呼ばれるのも納得ですね。

バックとフロントどっちが良いエクササイズ?

どっちも良いです!

どちらか選べと言われたら?

選べません。どちらも好きです!

動作パターンは同じですが、担ぐ位置が違うことで全く違うエクササイズだと私は考えています。

2つのスクワットの比較

2枚の写真を比較してみましょう。

BSQの方がヒップヒンジが強調され股関節のモーメントアームが長くなります。

赤い線(重りの重心)からお尻までの距離(水色の両矢印)を股関節のモーメントアームといいます。

モーメントアームが長くなることで股関節の屈曲角度が深くなり、体幹部が前傾せざるを得ない状態となるため、動きを補正するためBSQの方がFSQよりも大臀筋と脊柱起立筋の活動量が大きくなります。

背部の筋群であるポステリオールチェーン筋群をしっかり鍛えるにはBSQという結論に至ります。

逆に膝のモーメントアーム(ピンクの両矢印)はFSQの方が長くなります。

それにより大腿四頭筋の活動量が大きくなります。

脚腰を鍛えるならBSQ、脚を鍛えるならFSQって感じでしょうか。

FSQのメリット・デメリット

普段ジムでトレーニングでFSQをメインにしている方をほぼ見たことがありません。

スクワットラックがずらりと並んでいる当ジムにおいても同様です。

ウエイトリフター、クロスフィッターの方がやっているのをたまに見かけるくらいでしょうか。

ここでFSQのメリットを見てみましょう。

<FSQのメリット>
・大腿四頭筋を効率よく鍛えられることで地面を強く踏む能力が向上する
・体幹部の前傾BSQと比べて小さいので腰痛のリスクが低い
・身体の前方でバーベルを保持するため腹壁筋群の活動量がBSQよりも大きい

こうして見るとFSQをやることによる恩恵は大きそうですね。

一方デメリットです。

<FSQのデメリット>
・手首が硬いと姿勢保持が難しい
・臀部の関与がBSQと比べて小さい
・膝関節への剪断力が大きくなる
・足首が硬いと深くしゃがむことがBSQ以上に困難

やる意味なくない?って思った方も多いかと思いますが解決方法はあります。

①手首が硬いと姿勢保持が難しい

→クロスアームスタイルに変更する or アジャスタブルセーフティスクワットバーを使用する。

アジャスタブルセーフティバーはBSQも同様ですが、手首や肩にリスクがある人には安全に狙いたい部位に刺激が入るのでオススメです。

 

 

②臀部の関与がBSQと比べて小さい

解決方法というよりは、臀部を鍛えたいならBSQかヒップスラストをしてください笑

狙ってる部位が違うことをわざわざする必要はありません。

 

③膝関節への剪断力が大きくなる

特にウエイトリフターの方に多いように感じますが、ボトムでバウンドするようなフルスクワットをすると膝関節への剪断力は当然大きくなります。

「膝をつま先より出さない」という提言は1972年にArielらの研究により確立され、現在も当たり前のように使われています。

FSQでどうすれば解決できるか?

肘を高く上げ、胸椎をしっかりと伸展位を保持し、ヒップヒンジを強調して下降局面に入る。

これが全てでしょう。

しっかりとヒップヒンジし、ハムストリングスを共収縮させ、バウンドしなければまずスクワットにおいて膝を怪我することはまずありません。

 

④足首が硬いと深くしゃがむことがBSQ以上に困難

無理して深くしゃがむ必要はありません。

ウエイトリフティングのようにクリーンのキャッチのように潜り込む必要があるのであれば別ですが、あくまでもトレーニングとして実施するのであればしゃがめる範囲でしゃがめば良いのです。

確かに深くしゃがめばしゃがむほど、筋の活動量は上がります。

しかしFSQの場合無理にしゃがみ前に倒れれば倒れるほど、膝関節への剪断力も上がります。

ウエイトリフティングのように競技として必要な動作であれば、足関節の柔軟性、可動性を高める必要がありますが、補強としての実施であればプレートを踵の下に敷く、下げられる範囲で実施する、その二択でしょう。

セーフティスクワットバーという選択肢

先ほどサラッと紹介しましたが、手首や肩にリスクがある方はセーフティスクワットバーが有効です。

パッキングによる上半身の剛性というスクワットの醍醐味的な部分は欠いてしまいますが、下肢の動作自体は大きく変わりません。

逆にパッキングが上手くできず肩がすくんでしまう人に関しては、こちらの方が肩甲骨内転・下制が意識しやすいので胸椎の伸展位で体幹部が保持しやすく、効率よく下肢で力発揮できるでしょう。

ぜひ試してみてください。

まとめ

BSQ、FSQどちらが良いトレーニング種目かは選ぶことはできません。

全く違う種目なので当然でしょう。

目的によって選択すれば良いのです。

ジャンプ力を上げるためにしっかり踏み込めるようになりたい人はFSQ、強いポステリオールチェーン筋群を手に入れたい人はBSQ。

スクワットの可能性は無限大です。

 

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須山トレーナー

 

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